利用技術と製造技術   -使うのが得意か、作るのが得意か-

最近の人は例えばスマホやパソコンを使いこなすことは難なくできる。

ところが自分たちの世代は、慣れるのに一苦労。先ず言葉が分からない。

操作が分からない・・・等々。

それに比べ、若い人はロクに取扱説明書を読まなくてもだいたいこんな時は

このキーでこの操作をすればいいんじゃね?みたいな感じで

それでちゃんと操作が進んでいく。スイスイできる。

そう、利用技術に長けているのだ。

実に羨ましい。

 

一方、製作技術はどうか?

材料だけあって他は何もないところから物を作ることができるのか?

大学の電気科の学生でもハンダごてを持ったことがない、テスターを触ったことが

ない人間が結構いるらしい。

 

ゲルマニウムラジオの話になるが、自分たちの時代は、コンデンサとは2枚の金属板が向かい合わさったもの、と言うことで缶詰の空き缶を金切り鋏で切って、

紙で絶縁して貼り合わせて代用しようとした。

また、半導体とは導体と絶縁体の中間のものとのイメージで,錆びた釘を使って

検波しようとした。(「子供の科学」と言う雑誌に載っていた)

中学生のときこれらの部品でラジオを作ろうとした。

結果的には同調がうまく取れずできなかったが、この様に部品から揃えて物を作ると言うことは、今の学生には縁遠くなっているのではないか?

またあまり興味がないのではないか?

 

ものは工場のロボットが作ってくれる。使えさえすればいいのである。

しかし本当にそれだけでいいのか? 電子立国日本の将来は大丈夫か? 

とちょっと大げさではあるが嘆きたくなる。

利用技術と製造技術 この両者がバランスを保ちながら進歩して行くべきであろう。